変形性膝関節症

変形性膝関節症ってどんな病気?

変形性膝関節症は、加齢に伴って起こるひざの病気です。

発症には、体重や運動などの生活習慣が深くかかわっています。膝の関節にある軟骨が傷つき摩耗し、関節に炎症が起こり痛みが生じます。軟骨が傷んでしまう事で、本来は衝撃を吸収するはずの機能がうまくいかず、激しい痛みを生じます。この病気の名前を耳にした事は無いかもしれませんが、私たちが日常生活で発症するひざの痛みの多くの原因となっています。

変形性膝関節症になってしまうと、膝の痛みのために歩けなくなり脚の筋肉が落ちていきます。脚の筋肉はひざを守っているので、さらにひざに負担がかかるようになります。このような悪循環によって変形性膝関節症は進行していきます。

変形性膝関節症の症状

変形性膝関節症の主な症状は「痛み」「腫れ」「動きづらくなる」の3つです。

変形性膝関節症の症状で一番多いのがひざの痛みです。
この痛みは少し動かすだけでも起こります。
立ち上がるときや歩き始めるとき、階段の上り下りなど日常生活の中の動作で痛みが生じます。初期の段階では、痛みが出ても少し休めばすぐに和らぐのですが、病気が進行すると安静にしていても痛みを感じるようになります。

「腫れ」というのは、膝に水がたまる事で起こります。関節に炎症が起こる事で、膝に水が溜まり動かしにくくなります。
さらに進行すると骨が変形し関節全体が固くなり、正座やしゃがむなどの動作や膝を伸ばすことが難しくなる等の動作障害を起こすようになります。

変形性膝関節症の原因

変形性膝関節症を引き起こす原因として以下の様なものが考えられています

1 加齢

ひざには常に負担がかかっていますが、加齢に伴い耐える事ができなくなっていきます。関節の表面にある軟骨が加齢と共に変性して 傷つきやすくなり、徐々に摩耗していきます。

2 肥満

人が歩くときには、体重のおよそ3倍の負荷がひざにかかっているといいます。肥満によって体重が重くなればなるほど、膝への負担が増え、変形性膝関節症を発症しやすくなるといえます。

3 筋力低下

脚の筋力は歩行・運動の際に外部から加わる衝撃からひざを守る機能があるため、脚の筋力が衰えている場合にも変形性膝関節症のリスクが高まります。

しかし発症には様々な要因が関与しており、一つの原因を特定できる訳ではありません。
これら以外にも膝に負担がかかるような動作をしていれば、発症するリスクは高まると考
えられます。

変形性膝関節症の検査と診断

問診では、過去に関節のけがをした事がないか、いつから痛みを生じているかなどを伺います。また、触診によって膝関節が変形していないか、腫れていないか、動きが悪くないか、 などチェックします。

検査では、X線検査と必要に応じてMRI検査を行います。
これらの検査で、関節の骨の状態や軟骨の状態を調べます。関節液が溜まって痛みが出ているような場合には、関節液を抜いて性状を調べる事もあります。

変形性膝関節症の治療法

治療法は大きく保存療法と手術療法があります。

保存療法では、膝関節の動きを改善し、ひざを支えるために必要な筋力をつける運動療法、痛みを和らげる薬物療法、傷んだ軟骨を保護し関節の潤滑を良くするヒアルロン酸の関節内注射などを行います。

それでも症状が改善しない場合やすでに重症化してしまっている場合には手術的治療を検討します。手術の種類には関節鏡を用いて関節内の軟骨片などを除去する方法、骨切りを行って関節の軸を矯正する方法、人工関節に置換する方法などがあります。

手術が必要な場合には大学病院などの関連施設をご紹介致します。